ドライバーの育成&支援に関しては、全日本F3選手権にはB-MAX Racing Team with NDDP(NDDP=Nissan Driver Development Program)としてヤン・マーデンボロー(#22)と千代勝正(#23)が参戦。なお、同チームは昨季までトヨタ製エンジンで戦っていたが、昨年12月の鈴鹿テストではフォルクスワーゲン(VW)製エンジンで走っている。VW搭載となれば、F3実績豊富な千代はおそらく開発主担としての意味合いも含めた起用だろう。一方のマーデンボローはGTアカデミー出身の選手で、さらなるシングルシーター経験を積むことが主目的だ。なお、マーデンボローはGT300、千代はGT500にそれぞれGT-Rで参戦する。
SUPER GTといえば、世界的にタイヤワンメイク化が進むなか、高次元のタイヤ戦争が長く続いていることも魅力のひとつ。なかでも日産のGT500勢は4チームで3つのタイヤ銘柄という“タイヤ戦争内包状態”が特徴で、その布陣は今年も保持された。ライバルのレクサスRC F勢が今季も6台中5台がBSという布陣を敷いているのとは対照的だが、結果ベースでみる限り、近年は日産勢に一日の長あり。マシン的にもGT-Rが優位を築いたまま2シーズンを過ごしてきたのは事実であり、今季もそれが維持されるのかどうか、楽しみなところである。
昨年、クートを中心にした布陣で参戦したGAINER TANAX GT-Rは圧倒的な強さでドライバー、チームのダブル王座を獲得。クートのパートナーは欧州のレースと掛け持ちしつつの千代勝正、そして富田がかわるがわる(時には3人体制で)務めたため、ドライバーズチャンピオンにはクートが単独で輝くこととなったが、彼は戴冠確定時、「We are champion」と全体の力を強く意識した印象的なコメントを発した。